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ADLULUCAのスタッフ、CHIYOのブログ
by chiyo68
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焼鳥屋の合戦

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俺が暖簾をかき分けるようにしてその焼鳥屋に入ると、入り口の引き戸の柱に「カカカッ」と乾いた音がして、焼き鳥の串が3本突き刺さった。俺の鼻先を僅かにかすめるような感じだった。店内をにらみつけると、鉢巻きをして白い上っ張りを着た、駆け出しの串うち職人らしい若造がこちらをはったと見据えていた。

「何をするっ」

睨み返した俺の耳のすぐそばを、また焼き鳥の串が3本飛んでいった。それは俺の耳をかすめて後方に、店の外へと飛び去り、後ろの方で「ふぎゃあ」という悲鳴が上がったが、そちらに目をやる暇は無かった。

「ちょこざいなっ」

ポケットから名刺入れを取り出し、びゅんっ、と振ると鋭利な刃物のような切れ味をもつ特製名刺が2枚飛び出し、串うち職人の眉毛を一瞬にして剃り上げた。串うち職人は情けないウルトラマンのような顔になった。

「やりゃあがったなあああって」

てめえ、と続けて雄叫びをあげようとしたその口の中に、目の前の柱に刺さっていた串を引き抜きざまに、たたき込んでやった。舌を下顎に縫い込まれた職人はもんどり打って仰向けに倒れた。

「んなろー」

と言って入り口近くの卓に腰掛けていた作業員風の男が、七味唐辛子の缶を手にして立ち上がりかけた。その薄い頭にカウンター気味に携帯電話の底部をたたきつける。作業員の眉間がぱっくり割れて血が噴きだした。

「だはあっ」

と情けない声をあげるその口に、奪い取った七味の缶の蓋を開けてねじ込んだ。ねじ込みざまにその開いた口の前歯数本も一緒に折れる。ちょうど息を吸い込むタイミングと重なったので、その男は胸いっぱいに七味唐辛子を吸い込んで床に倒れてのたうち廻る。

奥に座っていた連中が、テーブルをバーンと倒してバリケードにし、その陰から焼き鳥盛り合わせ一丁の皿をぶん投げて来た。俺が頭を低くして避けると、その皿は俺の後ろの開いていた戸から店外に飛び出した。さきほど焼き鳥の串が刺さって倒れていた男が丁度立ち上がったところ、再びこの皿が顔面に命中してノックアウトされた。半開きの口の中いっぱいにレバ串が詰まり、口から吐いた血が溢れ出して、血のしたたるようなレバ串になっていた。

俺は入り口に掛けてあった小さい品書きをした黒板を取り、思い切りその奥のバリケードの連中の上めがけて放り投げた。

「へっ、どこ狙って」

やがる、と中の一人が言いかけたその上に、黒板がぶち当たって壊れた神棚が落ちてきてそいつの頭上に鉄槌を下した。

「この罰当たりがーっ」

バリケードの中のもう一人が飛び出してきて俺に掴みかかろうとして、さっき倒れた作業員風の男につまずいて倒れこんだ。そのゴマ塩頭を足で踏みにじりながら俺は店の奥に向かってこう叫んだ。

「酎ハイとレバ刺し!それとハツをタレ塩2本ずつ!」

奥から店主と店員が拍手をしながら現れ、店内の他の客も立ち上がって、俺に拍手を送ってくれた。店内は片づけられ、負傷者は運び去られ、俺はカウンターに座って飲み始め、ハツの塩を2本一度に口にくわえてぐいとしごいた。次の瞬間店の戸が開いたので、そこにめがけてその串2本を飛ばす俺であった。
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by chiyo68 | 2007-08-07 23:54 | ちよ雑文
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