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ADLULUCAのスタッフ、CHIYOのブログ
by chiyo68
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<   2007年 08月 ( 4 )   > この月の画像一覧

地下鉄浅草駅発タイ料理

前職の関係から懇意になった某中小企業の若旦那と浅草でウロチョロしている。前回、金町で一緒にダメになっていく連れがでてきたがそれと同一人物である。引き続いての登板だが愛し合っている仲なのでご容赦願いたい。おおむね囲碁を打ってから浅草雷門前のスターバックスコーヒーの店頭テラス席に陣取り、一服二服三服しながら抹茶クリームフェラチオとかいう甘い甘い甘いシェーキをベンティという最大サイズで吸い取りながら憩う。濃厚クリーム使用で一杯で親子丼なみのカロリーがあって身体には勿論よくないが、一緒にダメになるテーマでつきあっているのでこれでいいのだ。共に切磋琢磨し向上しあう二人というのはその実互いに信用ならないが、一緒にダメになると決めた間柄であればこれはもう絶対の仲であって、夫婦よりも長く続く終生のものである。これを馬鹿は死ななきゃ治らないとも言う。治りたくないと思う。

定点観測船のようにスタバ店頭でタムロして、通りすぎるヒトや店内の客の様子をガラス越しで実況中継しながら無為な時間を過ごしていくと、やがて閉店時間となって追い出される。従来はそれで仕方なく帰っていったのだが、最近浅草の地下鉄構内でタイ料理店を見つけて闖入したところ、思いがけずアタリで定番巡回ポイントに昇格した。有楽町と銀座に店を構える有名店からスピンアウトした貫禄のあるタイ人と貫禄のない日本人が二人で店を切り盛りしていて、風情はタイ現地の屋台に毛が生えた程度の感じである。外見も内装も安い青と赤と白のもので統一されているが、これをタイなのにおフランスかぶれかと思って笑ってはならない。タイの国旗もまたこの3色なのである。

それまでタイ料理というとグリーンカレーにトムヤムクンと激辛だけの料理かと思って敬遠していた。唐辛子辛いのが苦手なのは汗が頭皮から吹き出るからで、食べる時にはハンカチか手ぬぐいでハチマキをしないと食べられないからである。そうしないとオヤジ汗が料理にもテーブルにも滴り落ちる。具合の悪そうなヒトに見えてしまうのだ。実際、いろいろと具合の悪いオトコであるからして、実体がバレるのは都合が悪く避けなければならない。しかしそれがこの店で野菜と魚介を中心にしたサラダ系のものがメインな料理であって、日本料理でも中華料理でもなくそれでいてしっかりアジア系のゴハンであることを知った。

老化の始まった舌にその辛さ酸っぱさ甘さがきらびやかな刺激を加える一方で、プリッキーヌーというとんでもない唐辛子が脳の血管をピキピキと広げて恍惚感を与えてくれ、食べてはっきりトリップするという経験を久しぶりに味わった。今までのねっとりアブラ行脚で詰まった我が動脈硬化な血管も一気に通ったような感じがする。妙に健康的で良くないと感じ、現地の酒メコンウイスキーという焼酎みたいなものを頼むとこれが薬臭くて身体に悪い感じでようやくしっくりとくる。

そこで続けて通って同じものを何度も頼み、サラダの材料を吟味して調べてはあちこちで買いそろえて自宅でも作ってみて、それをまた店で食べて評価して家でつくるものにフィードバックするという作業を重ねているうちに、ついにはベランダでコリアンダーの根を差して増やす事まで画策するようになった。

店内には抑揚のない延々と続くギターのフレーズがどこか演歌を彷彿とさせるインストゥルメンタルのBGMがかかっており、頼んだらその場でCDに焼いてくれる。それを流して家でもタイ料理を食べていると、まだ不十分なのに気がついた。それは家の中を安い赤と青と白のもので統一することだ。ダメになる道もなかなかどうして奥が深く果てしないものである。
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by chiyo68 | 2007-08-15 00:54 | ちよ散歩

金町界隈・大渕

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山の手線で西日暮里から地下鉄千代田線に乗り換えるといつの間にかそれが常磐線になっていて地下鉄料金とJR料金をダブルで取られるという詐欺のような路線がある。乗っているうちに金町に着く。

金町は小さな駅だが京成の支線の終点でもあり乗降客は多く、それなりに賑やかな感じである。駅前のampmではコンビニの店頭で不良少年ならぬ貧乏中年がいて3人固まってビールを飲んでいてこちらもファイトが湧いてくる。そのうちああなってもいいや、幸せそうだもんと思うのである。そのampmから京成の支線の線路沿っていくと小さな踏切があってその先が目当ての横丁である。名前がついている筈だが注意散漫なのでまだ確認できていない。

横丁の左右両側には種種雑多な業種の店とそれから飲み屋が1軒ずつ交互に並んでいてまさにはしご状になっているので、はしご酒というのはこういうところで1軒で30分ずつ飲み歩いて行くのが本格なのだろうと思う。クリーニング店が狭い道を挟んで2軒あり、マーケティングや店舗戦略など糞食らえといった感じが大変癒される。途中いくつもいくつも捕まりそうな店があるがぐっと我慢して奥へ奥へと入っていく。少し飲み屋がまばらになり始めたころに「もつ焼き・大渕」がある。時刻は夕方というにはまだ少し早い4時半だが遠慮なくやっているのでこちらも臆面もなく引き戸を開けて中に入る。

店内は厨房というよりも台所といった感じのものがカウンターで囲んであり、その端は小さい窓で通りに面していてそこからでも串を買えるようになっているらしい。カウンターの他には4人掛けの貧相なテーブルが2つと、その奥は小あがりになっていて座卓が2つか3つ並んでいる。テーブルが片方空いているので連れが後から来る旨を告げるとそこに座らされる。カウンターにはすでに常連らしい客が何名か貼り付いていて、私のすぐあとにきた老夫婦で合計6名となって埋まってしまった。

レモンハイ280円とアブラのスタミナ焼き3本250円、それにレバ刺し350円を頼むと資生堂の月のように細くて長身の飄々とした老旦那がレモンハイをまず運んでくる。中では息子らしいもっと長身の若い男の子が包丁を握り、その横で母親らしい威勢のいいおばさんが焼き物を焼いている。

ちょっと化学的な味のする黄色がかったレモンハイを舐めていると、そのうちにアブラとレバ刺しがくる。アブラは豚の背脂の塊を切り分けて茹でておいたものを串に刺して焼いているもので、もちろんほぼ100%脂身であってこれが秘伝のタレを付けて焼いているらしいスタミナ焼きとなってじうじうと出てくる。熱いところをほおばるとカリっとした外側に続いてアブラがじくじくしみ出てくるのがいかにも身体に悪そうで誠に滋味という感じがする。

10分ほど遅れて到着したモツ友が席に着く。チューハイとコブクロ塩3本を頼むとすぐに乾杯をする。カシラタレ3本、アブラスタミナ焼きもう3本を追加してアブラまみれになりながら少しずつレモンハイを舐めていく。ヤサイを頼んで健康に留意する気持ちなどサラサラない。キツめのタバコに火をつけて深く吸い込み、アブラ、カシラ、レモンハイ、アブラ、カシラ、レモンハイ、とマシンのような正確さで繰り返していくうちに身体に悪いものを摂取し続けている感覚が全身に染み渡り恍惚となる。レバ刺しに添えられた芥子を塗りたくって食べるアブラは塩味も濃くて最高だ。連れもさらにコブクロ塩を3つ頼んでチューハイをお代わりする。黙々と食べるかと思うと、時々目を合わせてヒヒヒと笑う。愛し合っているのだ。

さくっと小1時間で切り上げて店を出る。お勘定は二人合わせて2490円。次の天国を目指して店を出る。並んで歩いていくとこうしてだんだんダメになっていく連れがいるという感覚が身体中にみなぎって何とも幸せになれる。それが金町というところである。
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by chiyo68 | 2007-08-09 23:35 | ちよ散歩

焼鳥屋の合戦

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俺が暖簾をかき分けるようにしてその焼鳥屋に入ると、入り口の引き戸の柱に「カカカッ」と乾いた音がして、焼き鳥の串が3本突き刺さった。俺の鼻先を僅かにかすめるような感じだった。店内をにらみつけると、鉢巻きをして白い上っ張りを着た、駆け出しの串うち職人らしい若造がこちらをはったと見据えていた。

「何をするっ」

睨み返した俺の耳のすぐそばを、また焼き鳥の串が3本飛んでいった。それは俺の耳をかすめて後方に、店の外へと飛び去り、後ろの方で「ふぎゃあ」という悲鳴が上がったが、そちらに目をやる暇は無かった。

「ちょこざいなっ」

ポケットから名刺入れを取り出し、びゅんっ、と振ると鋭利な刃物のような切れ味をもつ特製名刺が2枚飛び出し、串うち職人の眉毛を一瞬にして剃り上げた。串うち職人は情けないウルトラマンのような顔になった。

「やりゃあがったなあああって」

てめえ、と続けて雄叫びをあげようとしたその口の中に、目の前の柱に刺さっていた串を引き抜きざまに、たたき込んでやった。舌を下顎に縫い込まれた職人はもんどり打って仰向けに倒れた。

「んなろー」

と言って入り口近くの卓に腰掛けていた作業員風の男が、七味唐辛子の缶を手にして立ち上がりかけた。その薄い頭にカウンター気味に携帯電話の底部をたたきつける。作業員の眉間がぱっくり割れて血が噴きだした。

「だはあっ」

と情けない声をあげるその口に、奪い取った七味の缶の蓋を開けてねじ込んだ。ねじ込みざまにその開いた口の前歯数本も一緒に折れる。ちょうど息を吸い込むタイミングと重なったので、その男は胸いっぱいに七味唐辛子を吸い込んで床に倒れてのたうち廻る。

奥に座っていた連中が、テーブルをバーンと倒してバリケードにし、その陰から焼き鳥盛り合わせ一丁の皿をぶん投げて来た。俺が頭を低くして避けると、その皿は俺の後ろの開いていた戸から店外に飛び出した。さきほど焼き鳥の串が刺さって倒れていた男が丁度立ち上がったところ、再びこの皿が顔面に命中してノックアウトされた。半開きの口の中いっぱいにレバ串が詰まり、口から吐いた血が溢れ出して、血のしたたるようなレバ串になっていた。

俺は入り口に掛けてあった小さい品書きをした黒板を取り、思い切りその奥のバリケードの連中の上めがけて放り投げた。

「へっ、どこ狙って」

やがる、と中の一人が言いかけたその上に、黒板がぶち当たって壊れた神棚が落ちてきてそいつの頭上に鉄槌を下した。

「この罰当たりがーっ」

バリケードの中のもう一人が飛び出してきて俺に掴みかかろうとして、さっき倒れた作業員風の男につまずいて倒れこんだ。そのゴマ塩頭を足で踏みにじりながら俺は店の奥に向かってこう叫んだ。

「酎ハイとレバ刺し!それとハツをタレ塩2本ずつ!」

奥から店主と店員が拍手をしながら現れ、店内の他の客も立ち上がって、俺に拍手を送ってくれた。店内は片づけられ、負傷者は運び去られ、俺はカウンターに座って飲み始め、ハツの塩を2本一度に口にくわえてぐいとしごいた。次の瞬間店の戸が開いたので、そこにめがけてその串2本を飛ばす俺であった。
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by chiyo68 | 2007-08-07 23:54 | ちよ雑文

甘味による時間差攻撃

b0111389_1051836.jpgコマンタレヴ。

タイのホテルに3年前に一人で泊まったときの事であるシルブプレ。ホテルに着いたのが午前1時。ヨナカにオナカが空いてルームサービスのヤキソバを頼んだ。120バーツ、360円である。ステンレスの半球形のカバーみたいなフタを取ると、中からプリプリのエビがライスヌードルの上に一面に乗っかったそれが現れたよトレビアン。ニポンで頼んだら5倍プラス税サとか取られそうな雰囲気があった。さあタイで深夜のエビ退治。南海の孤島の決闘、ゴジラ対エビラ!なんて35年前の少年マガジンのタイトルは頭に浮かぶ。バックリと食いついて、麻酔弾をくらったゴジラのように目を白黒させた。『アマイアマイアマイアマイ』みたことのない戦後の闇市の茹でアズキ売りの口上がボケた頭いっぱいに広がったヨ。そしてその甘みの隙間を縫って、強烈なタイの青唐辛子の辛みが舌にバンカーバスター攻撃をしかけてきた。

薬味4種盛りを見てさらに腰を抜かした。この辛い辛い甘い甘い上にさらにトッピングせよと、唐辛子赤青2種類の酢漬けを刻んだもの、真っ白なアジノモト、そしてザラメ砂糖が所狭しと並んでいる。一度死んだ命だ、もう一度死ねいとばかりにそれらを一通りかけて、南アジアの夜の絶叫夜食とあいなった。なんでこんなに甘いのか、不審に思って次の晩ももう一度同じものを今度はレストランで頼むと、やはり甘甘エビエビ焼きそばが登場した。どうもこの甘さがタイ料理の一種のデフォルトであるらしい。大変恐れ入った。

3年たった先週、台所に立った私はオゴソカに100グラム99円の輸入豚ロース肉厚切りを焼いておった。中が半生でジューシーな状態で引き上げ、少し時間をおいて切ると、真ん中がほのかにピンク色した肉汁たっぷりウマウマそうな豚肉のソテーが出来上がった。しかし塩こしょうとお醤油で食べてみるとつまんない味である。所詮輸入ものはだめだなあ、と思いつつもそこに欠けている味をどうてっとり早く補うか、5秒ほどあたりを見渡した後に私はハチミツの容器をとりあげ、ポークソテーの上にトローリ垂らしてやった。絶妙な旨さに一瞬で変身したのに目を見張った。

そして今夜、まさしく今夜、鶏の唐揚げの残りをスライスして夜食のサンドイッチを作っていて、ここに神が降臨した。鴨のオレンジ煮の皿が目の前に浮かんだのだ。しかしオレンジを切って居る暇もなく、オレンジもない。そこで私は冷蔵庫から恐ろしいものを取り出した。『肉のハナマサ』で買ったベルギー製の暗い色をしたママレード、である。これをパンの片側にたっぷり塗りつけて、鶏のスライスをのせたパンの上に覆い被せた。イエス、タカスクリニックという感じでぴったりマッチした味になった。タイの甘い砂糖ヤキソバから3年の時空を超えて、甘いサンドイッチが我が家の深夜のキッチンに降臨されたのであった。セシボン!
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by chiyo68 | 2007-08-04 10:07 | ちよご飯